ここまでで、ICANNが管理するインターネットの資源を、4つにわたって深掘りしてきた。
そして今回、第14話では、父が私に「これを読んでおけ」と差し出した、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の
《インターネットとは?》という1ページに、視点を戻そうと思う。
https://www.nic.ad.jp/ja/basics/beginners/internet.html(https://www.nic.ad.jp/ja/basics/beginners/internet.html)
ここまで私が辿ってきた学びの道のりは、すべてこのページに書かれた、たった十数行の文章に詰まっていた。
それだけに、簡単そうでいて、驚くほど奥が深い。
このページはURLにもある通り「ビギナー向け」だ。
でも、その“咀嚼”は決してラクじゃなかった。
父とAI先生と、そしてあなた=読者と、もうひとりの自分自身──
その4者の協力プレイで、ようやく一口目をごくんと飲み下せた気がしている。
……これ、スルメなんてもんじゃない。
噛めば噛むほど味が出るどころか、顎がもげそうな“硬さ”がある。
じゃあ、なぜこのタイミングでこのページの話を、改めて持ち出したのか?
それは気まぐれなんかじゃない。
このページには、インターネットを「資源」として捉える視点だけでなく、
もうひとつ──「技術としてのインターネット」という見方が、しっかりと書かれていたからだ。
こんなふうに書かれている。
> ICANNが資源管理を担う一方、技術面での責を担うのがIETFです。
……そう。
ここで初めて、“もうひとつのキーワード”が登場する。
IETF(Internet Engineering Task Force)
つまり、インターネットは「資源」と「技術」、この2つの車輪でまわっている。
ちょっと気が遠くなりそうな話だけど──
でも、ここまで来てようやく思えるようになってきた。
「この先を理解すれば、今後がきっとラクになる」と。
そして今、私の頭の中にはこんな図が浮かんでいる。
インターネットという世界には、2つの大きな“城”がある。
ひとつは、ICANN──インフラを守るための「資源管理の城」。
もうひとつが、IETF──通信を成り立たせるための「技術の城」。
……たしかに、技術者から見たら、私の理解なんて“アリ”みたいな小さな一歩かもしれない。
でも、家庭内にLinux環境を構築する──それくらいの規模の目的には、
この“アリの歩幅”でも、じゅうぶん力になると思う。
それにね。
世の中には、インターネットの仕組みを何ひとつ知らずに、ただお金を払って使ってるだけの人って、実はすごく多い。
知らなくても使える。でも、知らないままで本当にいいの?
ここまで読んできてくれたあなたは、もうその「多数派」ではない。
たった十数行のページを、ここまで深く探求してきたあなたは、
すでに“わかった気になってる人たち”とは、はっきり一線を画しているんだよ。